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(コラム)気象レーダーで見る範囲と雨雲の面的な大きさのバランスについて

こんにちは。渡邉です。

今日は特集記事をお休みして、レーダーの選び方に関する話題です。

レーダーを選ぶときには、広範囲から限定された地域まで自由に調整できるものを選ぶのがベターです。これは、世界中のどこのレーダーを見るときにも当てはまります。

レーダー上で見える範囲が自由に調整できる利点は、雨雲の大きさに合わせて得たい情報が得られるということです。不便な例を挙げていくと分かりやすいので、2点ほど紹介してみます。

例1:雨雲に比べてレーダー画像が狭すぎる場合
オランダの気象機関のレーダーです(http://www.knmi.nl/neerslagradar/index.php)。オランダ全土はもちろんカバーしているのですが、雨雲の方が国土よりも大きい場合は使いづらいです。下図の例では西からくる雨雲がどの程度の広がりを持つか(雨の継続時間の手掛かり)、どの程度発達しているかが画面上に入ってくるまで分かりません。少なくとも北海か、西ヨーロッパをカバーする程度の広がりがほしいところです。
オランダの気象機関の雨雲レーダー























例2:雨雲に比べてレーダー画像が広域すぎる場合
特集記事(こちらです)でも利用した例です。東京や千葉の大雨が紹介されていた報道番組からとった画像ですが、東北地方南部から東海・近畿にかけてのレーダー画像が使われています。この場合、レーダーで見る対象は関東地方の局地的な大雨であるため、ここまで広くレーダーを見せる必要はほとんどありません。逆に関東北部で発達している雨雲が把握しづらくなっています。
NHKニュース画像から















レーダーで雨雲を見る際のコツの1つはバランスです。雨雲の面的な大きさというものを考慮に入れながらレーダーを見ていく必要があるため、広域から限定的な地域まで自由に選ぶことのできるレーダー(気象庁高解像度降水ナウキャストやYahoo!JAPANの雨雲ズームレーダーなど)を使うと便利ではないかと思います。