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【無料ツールで災害対策 vol.14】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(高解像度降水ナウキャスト その4)

こんにちは。渡邉です。

高解像度降水ナウキャストには、大雨の動きを示す機能がついています。
今日はその使い方をまとめます。

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■高解像度降水ナウキャストで「強い降水域」を確認する
気象庁高解像度降水ナウキャストは、日本全域から市町村単位まで地図を拡大・縮小して雨雲を確認できることと、3時間前から1時間後までという過去・現在・未来の時間軸で雨雲の動きが把握できるという利点がありました。その他にも便利な機能が備わっているのですが、今日はそのうちの1つである「強い降水域」の予測ツールをご紹介します。

高解像度降水ナウキャストで地域を拡大していくと、地図の下に選択肢が現れ、「雨の動き」と「竜巻・雷」が選択できるようになります。今日説明するのは「雨の動き」に関する部分です。

日本全域の場合は地図の下にこの3要素しかでません
(気象庁ホームページより)









地域を拡大していくと、「雨の動き」と
「竜巻・雷」ボタンが現れます
(気象庁ホームページより)









「雨の動き」を選択すると、現在の強い降水域と、その降水域が30分後にどう動いていくかが示されます。実際には以下のように、黄土色が現在の強い降水域、黄色が30分後までの強い降水域として示されます。

気象庁報道発表資料より抜粋*1


















昨日紹介した1時間後までの雨雲の動きを示した動画や5分後~60分後までの予測表示で雨雲の進み方を確認することもできますが、この昨日を使えばレーダー画面を1枚見ただけで強い雨を降らせる雨雲の短期的な動きが把握できます。

この図を見る際には黄土色の部分と黄色の部分がどの程度離れているかにも着目します。離れているほど雨雲のスピードが速く大雨が降っても一時的であるのに対し、離れていない場合は同じようなところで降ることを示します。動きが遅く見える雨雲がかかる場合は雨量がまとまるので厳重な警戒が必要です。

このように、高解像度降水ナウキャストの「雨の動き」機能は便利ですが、以下の例のように、発達した雨雲がある地域に広範囲にかかっている場合では黄色と黄土色の線が入り込みすぎていて把握しづらくなる場合があります。このような場合は前述の動画や1時間後までのコマ送りで確認するとよいと言えます。

高解像度降水ナウキャストに示された雨の動きの例
(気象庁ホームページより)
















(「今後の雨雲の動きをインターネットで見る(高解像度降水ナウキャスト その5)」に続く)

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(出典)
*1:気象庁報道発表「高解像度降水ナウキャストの提供を開始します」(平成26年7月25日) 別紙より
http://www.jma.go.jp/jma/press/1407/25b/highresorad_140725.html